大進歩の農地と酒場と

遊んだボードゲームであったり、飲み食いした美味しいものであったり……私の趣味分を吐き出す所です。

アグリコラ概論 - 1ステージ(1)

はじめに

最初に注意書きをご覧ください。

ここでは、1ステージの動きのパターンを分析し、どのように動けば後々有効な行動となるかを議論します。
慣れた人には当たり前のことだと思いますが、一応文章にしてみます。

8手の内訳

アグリコラは職業、小進歩によって大きくゲーム展開・アクションの優先順位が変わりますが、1ステージに行うアクションは98%程度は8回*1のみです。
そのため、この内訳を考えることには意味があります。

そして、実のところ、そのまま最初の収穫を迎えると食料が基本たりません。
そのため、1度は食料を取得する何らかの行動を取る必要があります。
それを踏まえて、序盤の戦略を考えていきます。

1ステージの方向性

1ステージのプレイは、大体以下のパターンに分類できます。

  1. 増築のための資材を集める
  2. アクション強化基盤を構築する
  3. 食料基盤を構築する
  4. プレイするカード固有のアクションをする

ドラフトしたカードにもよりますが、基本は上に記載したパターンほど多くプレイされます。
1つだけでは無く、同時にこれらの処理を行うことも可能ですが、番手がそれを許してくれないこともあります。
ですが、高々8アクションなので、手数を数えておくことには意味があります。

増築に必要な資材

特殊なカードが無い限り、増築には木材5と葦2が必要です。
この資材を集められる主なパターンを考えてみると、以下のようになります。

  • 葦石木+葦1+木材4(3アクション)
  • 葦2+木材3+木材3 (3アクション)
  • 葦石木+葦石木+木材3 (3アクション)

※まれに木材6+葦2ができるケースもありますが、序盤ではかなりのレアケースなので除外しています。

ここから分かることは、何らかの補助効果が無い限り増築のためには基本8手中3手が必要になるということです。
さらに、増築まで行う場合は計4手が必要になります。

増員優位な状態

また、4ラウンドまでに資材を集めて増築したとしても、他の人も増築をしている場合、次のラウンドに増員できる保証はありません。
1/3の確率で家族を増やすアクションがめくれますが、これをあてにせずに全プレイヤーの中で最も早く確実に増員を行おうとする場合は、4Rでスタートプレイヤーを取り、なおかつ増築が済んでいる必要があります。
この状況を作ることが、最速増員を目指す場合の理想型であるといえます。

最速増築パターンと相性がいいカード

集める資材数を減らす、資材が追加で取得できる、食料を得られるカードなどが相性がよいです。
上記のパターンでは木を2回とるので、早くにイチゴ集めを出せたなら1回必要な食料行動が基本不要となります。
また、葦を取得/軽減する屋根がけ、葦集めなどのカードも非情に効果的です。
進歩では、4ラウンド目に高確率で増員優位な状態に立てる木の家増築(コスト木5葦1、木の家を1軒増築する)は非情に強力なカードとして知られています。

番手とプレイ可能なアクション

増築のパターンが最も多いと書いた通り、序盤では特に葦石木、葦2、木材4、木材3のアクションの優先順位は全体的に高くなります。
また、木材の使い道は多いので、増築分が足りていたとしても木材を取り続けるという戦略も有効です。
この戦略では、他の人の増築を遅らせるという副次作用もあります。
そのため、スタートプレイヤーから遠い場合(4番手、5番手)は、これらのアクションをしたくてもできないという状況になります。
その場合、積極的にスタートプレイヤーを取るか、増築の優先順位を下げて他のパターンに移るかを考える必要があります。
スタートプレイヤーを取る場合、基本小進歩をプレイするので、早い手番でプレイ可能なコストの低い小進歩を何枚か選んでおくと良いでしょう。

1Rの行動

1Rの行動は大体が決まっています。
大進歩がめくれた場合をのぞき、1〜4番手で「職業(安)」「職業(高)」「木材4」「葦石木」が埋まります。
5番手は「レンガ3」「木材3」「スタートプレイヤー」のいずれかを取りますが、あまりスタートプレイヤーは打たれない傾向にあります。
資材がないので、1巡目にプレイできて、なおかつ有効なカードがほとんどないのですね...。
その後、1番手がレンガ3と木材3の余ったアクションを取る、までがほぼ7割のゲームで発生します。

が、注意しておきたいことは、1番手が葦石木に入った場合の4/5番手プレイヤーです。
この場合、1番手がスタートプレイヤーから「斧」「梁」「柄付き網」などのカードをプレイしてくることが多いです。
ここで問題なのは、序盤で遅い番手が連続し、他のプレイヤーから引き離されることです。
確信がないのですが、ここで1番手にスタートプレイヤーを打たれた場合、実力が拮抗しているなら5番手の勝率はおそらく1割を切ります。
これらのことは十分起こりえるので、私は5番手のドラフトでは比較的後に力を発揮できるカードをピックすることが多いです。
番手が悪い場合は、積極的にスタプレを狙うか、序盤増築以外のパターンを視野に入れる必要性があるように感じています。

さて、ここで2番手から5番手の人は大体「スタートプレイヤー」「畑1」「羊1食料1」「日雇い労働者」「麦1」「葦1」のいずれかを選びます。
葦石木、あるいは木材4を取ったプレイヤーがスタートプレイヤーを取ることが多いです。
その他のプレイヤーは、ここで何を取るかである程度今後の傾向を見ることができます。
かまど/調理場を比較的早く取る気があるなら羊1食料1、即座に食料が必要なら日雇い労働者、畑に余裕がある場合*2小麦1、食料がある程度余裕な人は畑1を選ぶ傾向があると考えています。
葦1は場によっては取られますが、どのような場合に葦1を取る傾向があるのかはまだ分析できていません(プレイする場所で葦1がポピュラーな場合、マイナーな場合とあるので、場の空気というところもあるかも知れませんが)。
もちろん、初手に出した職業の結果、強化されたアクションに2手目に入ることは多いです。(踊り手、魔術使い、畑番、種屋、季節労働者など)

なお、大進歩がめくれた場合は、最速でかまどを取る戦略が安定するので、誰かが「レンガ3」に行くこともありますが、多くの場合は5番手が「レンガ3」、2アクション目で「大進歩/かまど(2)」をプレイします。
よほど食料効率の良い職業/進歩が無い限り、かまどはあって困りません。
そのため、8アクション中の2アクションを使ってでも、かまどは取る価値があると考えます。

かまど/調理場の取得

かまど/調理場を"誰が最初に取得するか"は重大な意味を持ちます。
誰か一人しかかまど/調理場を持っていない場合、たまった羊を一気に得ることで大量の食料を入手できます。(ジンギスカン戦法と呼ばれます。多分)
もちろん、誰かが柵を引いて羊を持っていってしまう場合もあるのですが、序盤に2アクション*3で6〜8食料を得られることは非情に価値が高いです。
かまど/調理場は終盤まで利用できるうえ、5人戦では誰か1人はかまど/調理場を手に入れることができません*4
また、かまど/調理場を持っていない、動物が飼えない人は有効ではないアクションを有効に活用することが可能になります。

動物を取って食べてばかりでは点は伸びませんが、増やす基盤を作ってその肉を食べるのは、このゲームで最も手軽な食料基盤の構築方法です。
食料は行動の基本ですので、それを安定させるかまど/調理場はなくなる前に取得したい進歩の1つでしょう。

(続く)

*1:営農家、愛人、葦の家などの例外あり

*2:小進歩の鋤、鋤手、畑守など

*3:レンガ取得+かまど取得

*4:例外あり: 肉屋、簡易かまど、調理コーナーなど